第233章

野呂栞は思わず笑ってしまった。

「私の人間に手ぇ出しといて、余計なことするなって? あんた、頭をドアに挟まれたの?」

「――あんたっ!」天瀬姫代は怒りで顔を真っ赤にする。「この前、あたしから二十億ふんだくったツケ、まだ払ってもらってないのよ。今日も向こうから来たんだから……覚悟しなさい」

「あら、そのお金ってあなたのだったの?」野呂栞はわざとらしく目を丸くする。「あ、そうだ。値段の話をしたの、私じゃないよ。うちの姉。十億じゃ安いって、最低でも二十億は要るって言ってたのに。まさか、あなたが……」

天瀬姫代が野呂栞に島宮奈々未の始末を頼んだのは、一石二鳥を狙ってのことだった。だが島宮奈々...

ログインして続きを読む